魚を食べる習慣を作ろう。

最近の健康ブームの影響で世界的な魚の消費量は年々上がっている中で、日本人の魚の消費量は、年々減っていると言われています。その原因は、食の欧米化。肉類やサラダ類などの油脂類が増加している中で、「価格が高い」「調理しづらい」「食べづらい」などの原因で魚離れが進んでいるのです。

令和元(2019)年12月~2(2020)年1月に農林水産省が実施した、消費者等を対象とした「食料・農業及び水産業に関する意識・意向調査」によると消費者の多くは「魚を食べたい」と考えていま。しかし、価格の高さや調理の手間など様々な理由により、食べることが難しくなったのではないかと言われています。

魚は認知症にいいという理由

魚は認知症にいいという理由は、ビタミンDや魚の油に含まれるオメガ3脂肪酸という油です。オメガ3脂肪酸は体内では合成されないので、食品から摂る必要があります。オメガ3脂肪酸には、DHA、EPA、α-リノレン酸などがありますが、魚に特に含まれているのが、DHAとEPAです。

DHAとEPAには、それぞれ抗酸化作用があり、他にも、抗炎症作用や脂質代謝作用(血液サラサラ作用)などの作用があります。さらに、DHAには、神経細胞の膜を柔らかくして神経細胞の機能を高めるアミロイドβなどの脳の老廃物の蓄積を抑えるという効果もあります。サバやサンマ、イワシ、マグロなどの青魚を週に1回食べる人では、記憶力や認知機能が向上したとアメリカのビッツバーグ大学医学部での研究が報告されました。魚を週1回以上、焼き網やフライパンで調理して食べた人は、魚をべていない人に比べて記憶力を担う領域の灰白質の容積の4.3%、認知機能を担う領域の灰白質の容積14%大きかったということです。青魚をフライにして食べた場合の脳の容積の変化はなかったそうですが、驚きなのは、青魚を揚げ物にしてしまうと、青魚の良い成分はなくなってしまうというのです。

調理方法によって、DHAやEPAが失われてしまう。

このように、調理方法によっては、DHAやEPAが失われてしまいます。おすすめの食べ方は刺身です。オメガ3脂肪酸は、過熱に弱いので、揚げるだけではなく、焼いたり炒めたりしても、オメガ3脂肪酸は失われてしまいます。加熱する場合は、たとえば、味噌汁や煮物などは、煮汁ごと食べられるのでおすすめです。汁の中に、DHAやEPAが流れ出ている汁ごと食べる料理がおすすめです。オメガ3脂肪酸は、エゴマ油や亜麻仁油などにも含まれていますが、熱に弱く加熱には向きません。また、エゴマ油や亜麻仁油などのようなα-リノレン酸の油は、酵素で変換されてからのDHAになりますので、魚を食べた方が魚に含まれているDHAを直接とれるという利点があります。厚生労働省では、「DHA及びEPAは1日1g以上摂取することが望ましい」とされています。DHA、EPAを逃さない効果的な調理法を行って効果的な食べ方をしていきましょう。

摂ってもいい油、いけない油を知る。

トランス脂肪酸とはトランス脂肪酸とは、コーン油などの液体の不飽和脂肪酸を原料にして、それに水素を添加し、製造過程で構造が自然界に存在しない形に変わった油です。この自然界に存在しないという「不自然」な油は、分解酵素が働かないので、代謝されず体内に蓄積されるので、動脈硬化の危険があると言われています。また、肥満や、アレルギー性疾患(喘息、アレルギー性鼻炎等)についても、関連が認められたものがあります。トランス脂肪酸は、マーガリン、コーヒーフレッシュ、マヨネーズ、ドレッシング、クッキーやスナック菓子、ショートニング、レトルト食品やアイスクリーム、ポテトチップスなどの加工品の多くに含まれています。 欧米諸国には、トランス脂肪酸の含有量の規制や、表示義務があります。アメリカでは、2018年6月から禁止になりました。日本の厚生労働省はまだ規制をしていません。日本でも、そんな時代が来る日は近いかもしれません。トランス脂肪酸を多く含んでいる食品は、出来るだけ避けましょう。

オメガ9系脂肪酸

オメガ9脂肪酸の代表格はオレイン酸で、とくにオリーブオイルに多く含まれています。また、オリーブオイルは熱に強いので、加熱料理に適しています。不飽和脂肪酸のオメガ9系脂肪酸が血液中の悪玉コレステロールを減らしてくれます。一方、コーン油や大豆油などのオメガ6系脂肪酸の摂り過ぎには注意しましょう。

                            「ボケない人の最強の食事術」(青春出版社 /今野裕之 著)引用

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