老化といっても、身体の老化と脳の老化は同じではなかった!!身体の細胞と脳の細胞の働きの大きな違い知る。

  • 身体の老化と脳の老化は同じではない

 

身体の細胞は1個が2個に、さらにそれぞれが2個にというように分裂を繰り返している。

こうしたメカニズムが成立しているのは、テロメアが備わっているからです。もとの細胞はある期間が経つと死にます。1日に死ぬ細胞は全体の約200分の1と言われていますが、それを分裂した細胞で補っているわけです。だから身体の臓器は一定の形態に保たれていますし、分裂した細胞の機能が受け渡されるため、臓器の機能も維持されているのです。細胞は酸素や栄養を血液によって供給されることで、その機能を維持しています。そこで重要な役割をいるのが血管です。血管が細くなったり、血流が悪くなったりして酸素や栄養の供給が上手くいかないと細胞はもちろん、臓器の機能も落ちていきます。

つまり、血管の老化=身体の老化と考えることが出来ます。

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一方、脳の細胞には、テロメアがないため、基本的には、脳の細胞が壊れたら分裂して、再生するということが出来ません。それでも、脳の機能が維持できています。脳の神経細胞は複雑なかたちをしています。細胞本体からたくさんの手(シナプス)が出て、軸索と呼ばれる長い腕があり、先端も枝分かれしています。これを使って細胞との間にネットワークを形成しているのです。

仮に、脳の細胞が死んでも、その部分の手(シナプス)が増え、新たなネットワークが形成されて機能は保持されます。体細胞が分裂再生で機能を守るのに対して、神経細胞は「手を繋ぐ」ことによって、それを行っているのです。それが出来なくなる時、あるいは、神経細胞自体が減少したとき、脳は衰えていくのです。つまり、脳の老化とは、神経細胞のネットワークの減少なのです。

 

 

  • アルツハイマーは脳のサビが原因

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脳の老化でもっとも気になるのは認知症です。高齢者はもちろん、最近では40代、50代の認知症も話題になっています。原因はわかっていませんが、若年性認知症患者の脳もアルツハイマー患者の脳と同じように前頭葉の委縮が見られます。脳の体積が小さくなっているのです。

 

脳の体積が小さくなっているということは、神経細胞が死んで、数が減っているということです。体細胞は細胞分裂によって体積を補うことが出来ますが、神経細胞にはそれが出来ません。死んだら、その分体積が減るのです。

 

神経細胞が死ぬ原因は、例えば、脳梗塞です。脳に栄養を運ぶ血管が詰まってしまい、栄養が行き届かなくなることで、細胞が壊死状態になります。

 

あきらかに梗塞が起きている場合は、画像を見れば委縮している部分もはっきりわかるのですが、アルツハイマーなどでは、脳が全体的に委縮してしまい、詰まっているところの特定が出来ないのです。

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なぜ、そんなことが起きるのでしょうか?一つの可能性として考えられるのは、ごく小さな血の塊が血管の随所に散らばっていて、それが血流に障害を起こし栄養の供給が断たれて、神経細胞が死んでいくというケースです。脳梗塞による神経細胞の死は急性ですが、こちらは慢性の死と言えます。

 

もうひとつ、アルツハイマー型認知症に共通する所見が有ります。アルツハイマーを患って亡くなった人の脳を解剖すると、リポフスチンと呼ばれる色素沈着が見られます。高齢者の皮膚に老人斑というシミが見られるのは、よく知られているところですが、脳にもそれが出来ているのです。

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では、その老人斑はなぜ起きるのでしょうか?実は、フリーラジカルが老人斑の原因なのです。

 

物質を構成する原子の中心には「原子核」と呼ばれるものがあり、その周辺を電子がまわっています。この電子数が2個の物質は非常に安定しているのですが、1個(もしくは奇数個)の場合には安定しません。物質を安定させるため、他の物質から電子を奪ってしまいます。これがフリーラジカルです。電子を奪われた分子は破壊され、酸化されます。

 

この酸化作用がフリーラジカルの悪さの元凶です。鉄が酸化すると錆びるように私たちの身体の細胞も酸化によってダメージを受け、持っている機能を十分には果たせなくなります。こうしたメカニズムによって老化が起きようとするのがフリーラジカル説なのです。

 

アルツハイマー型の認知症には、フリーラジカルが関わっている可能性が非常に高いと言われています。

 

引用・参考文献

溝口 徹:「脳の栄養不足」が老化を早める/ 青春出版社

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