腸にある「腸管バリア機能」が、加齢、ストレス、病気などの体力低下で機能しなくなった時、乳酸菌が助ける。

発酵食品が、体に良いと昔から言われていますが、それはなぜかというと、例えば、生の大根を食べたとしましょう。それは、胃や腸で吸収されます。小腸で吸収されなかった部分は、食物繊維として大腸まで行き、排泄されます。

 

ところが、同じ大根でも、ぬか漬けにすると新たなプロセスが加わります。ぬかの中で、微生物が大根の成分を分解し、エネルギーを取り込み、最終的に別の栄養素を作りだすというのが発酵です。

 

ぬか漬けを食べると、人間の消化器系の能力だけでは吸収できなかったものが、微生物の力を借りて吸収したり、微生物が作ったものを吸収出来たり、生の大根とは違う栄養素を摂取することが出来ます。

 

ぬかの中には、乳酸菌が発酵していて、雑菌の繁殖を防ぎます。ぬかの中はすでに多くの乳酸菌で埋め尽くされており、そういった環境では、他の菌は繁殖しにくいからなのです。

 

味噌も、ぬか漬けと同様です。大豆をそのまま食べても、人間の体はすべての栄養を取り込むことは出来ません。でも、発酵させて味噌にすることで、微生物が分泌した代謝物質が吸収出来ます。発酵食品からは、とても効率よく、栄養素を取り入れられるのです。

 

味噌の種類については、食べる人の体質によって、どの種類がいいのか、それぞれに違うのかも知れません。その人が持つ遺伝子や食生活によって相性が良い味噌があるのではないかと考えられています。

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納豆は、納豆菌を用いて、大豆を発酵させますので、納豆を食べれば納豆菌を摂取することになります。納豆菌は、もともと腸内フローラにはいないのですが、入ることで、免疫系が活性化したりします。

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栄養素としてもネバネバの元である、ポリグルタミン酸をはじめ、発酵で作られた成分を吸収できるので、健康のためには、オススメです。

 

長く続けられることを優先し、同じ銘柄を1週間、あるいは1か月食べ続けて体調や排泄の状態で自分との相性を見るのも良いでしょう。

 

漬物や納豆の他にも、日本には各地に優れた発酵食品があります。こうした発酵食品は、奈良時代や平安時代から食べられていました。まさに、生活の知恵、伝統的な日本食には、健康にいいものがたくさんあります。

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腸には、「腸管バリア機能」という働きがあります。腸は、体の中の臓器、内臓ではありますが、内なる外です。口から入ったものは、食道、胃、小腸、大腸を通過して、そのまま外に出ます。消化管を通って、腸までやってきた有害物質を栄養素と一緒に吸収したら、血液に乗って全身をめぐり、体のあちこちでトラブルを起こします。それを防ぐのが腸管バリア機能です。

 

腸管上皮からは、粘液が分泌されており、異物が侵入しにくくなっています。

さらに抗菌物質や抗体が分泌され、異物を破壊したり捕捉したりします。また、腸管上皮細胞同士が密接に結合して、細胞と細胞の間から異物が侵入するのを防いでいます。

 

このように、素晴らしい防御システムによって、私たちの体は有害物質から守られています。

ところが、腸管バリア機能も、その他の臓器同様、加齢によって老いて行きます。老いて行けば弱体化もします。加齢、ストレス、病気などによる体力低下などによって機能しなくなった時に、助けになるものが乳酸菌です。

 

ある種の乳酸菌は、抗菌ペプチドの弱体化を防ぎ、バリア機能を高めます。

 

一般的に乳酸菌は、発酵代謝によって乳酸菌を作る細菌の総称で、ビフィズス菌やラクトバチルス、腸内に潜んでいるエンテロコッカスのことを言います。

 

また、オリゴ糖は胃や小腸などの消化器系の上部では消化吸収されず、大腸に届き、乳酸菌のエサになり、活性化を高めます。

 

乳酸菌をコンスタントに、腸に送り続けることで、腸内環境は整っていきます。

 

 

参照:「お腹の調子がよくなる本」 福田 真嗣 著

 

 

 

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