ガンは、フリーラジカルが細胞を損傷することによって引きおこされますが、その、フリーラジカルを増やすのが酸化ストレス。
そのフリーラジカルを消失させ、抗ガン剤のような働きをするという注目の治療法を紹介します。
1.フリーラジカルとは何か?
全ての物質は全て原子からできています。原子というのは物質を構成する最小の単位で、原子核を中心にその周りを電気的に負(マイナス)に帯電した電子が回っています。通常、電子は一つの軌道に2個ずつなして収容されますが、一つの軌道に電子が一個しか存在しない「不対電子」を持つ原子、分子をフリーラジカル(遊離活性基)といいます。フリーは英語で「自由な」、ラジカルは「過激な」という意味の通り、フリーラジカルは不安定で、他の分子から電子を取って自分は安定しようとします。
ある原子や分子から電子が一個なくなると、その物質は「酸化」されたといい、逆に電子を一個もらうとその物質は「還元」されたといいます。フリーラジカルは他の原子や分子と反応して、相手から電子を奪い取ります。つまり、相手の物質を酸化する力が強い分子なのです。
フリーラジカルの代表は活性酸素です。私たちが呼吸によって取り込んだ酸素がエネルギーを産生する過程でスーパーオキシド・ラジカルという活性酸素が発生します。普通の酸素分子は16個の電子を持っていますが、スーパーオキシド・ラジカルは17個の電子をもっており、そのうち1個が不対電子になりフリーラジカルとなるのです。
このフリーラジカルは、ガンの原因の一つで、フリーラジカルが細胞を損傷することによってガンが引きおこされます。そして、フリーラジカルを増やすのが「酸化ストレス」です。
酸化ストレスは、①物理的ダメージ
被ばく、電磁波、外傷、刺激物というもの。
②化学物質
有害化学物質、重金属、農薬など。
③加齢
加齢によって、酸化ストレスに対する抵抗力が衰え、フリーラジカルによるダメージが蓄積していきます。また、慢性の感染症や栄養不足が続くとガンの発生率が高まります。
④慢性的な精神的ダメージ
孤独感や喪失感、抑うつ状態に陥ることも酸化ストレスが増し、ガンを招く原因となります。
2.ビタミンCは抗酸化作用でガンを防ぐ
たいていの哺乳動物は、体内でビタミンCを作ることが出来るので、肝臓の中でブドウ糖からビタミンCを合成する酵素が備わっていますが、人間を含む霊長類は体内でビタミンCを作ることが出来ません。
ビタミンCには、酸化を防ぐ働きがあります。化学的にいうと「アスコルビン酸」です。アスコルビン酸は、他の分子に与えられる二つの電子をもっていることが特徴です。
フリーラジカルが酸化ストレスによって組織を傷つけても、アスコルビン酸から電子を与えることが出来るのでダメージが起こらないようになります。フリーラジカルはアスコルビン酸から電子をもらって還元され、アスコルビン酸は電子を与えたので酸化されたということになります。
ビタミンCは強力な抗酸化物質として、損傷した細胞や組織の修復を行い、また免疫機能を高める効果があります。そして、同時に過酸化水素をつくりだし、ガン細胞を死に導きます。
人間は体内でビタミンCを作ることが出来ないので、食べ物を通して、ビタミンCを摂取しなければなりません。しかし、私たちの摂取量は非常に少量です。そのため、ガンなどの重病にかかったら、点滴などで大量に摂取する必要があります。
ガン治療の標準治療である抗がん剤治療や、放射線治療は酸化促進作用があり、ガン細胞にとっては、有害ですが、正常な細胞にとっても有害となります。
高濃度ビタミンCを点滴することは、一方では、フリーラジカルを消失させて酸化を防ぎ、一方ではガン細胞に対して有害な過酸化水素の生成を促す仕組みですが、注目するところは、大量のビタミンCは、抗ガン剤のような働きをするというところです。
大量のビタミンCは、ガン細胞にとっては酸化を誘導する働きはありますが、正常な細胞は、むしろ抗酸化物質になります。つまり、ガン細胞にとっては有害でも、正常な細胞にとってもは有益となるということです。
日常生活の中でも、酸化ストレスに長期にわたってさらされると細胞はダメージを受け、何の対処もしなければ傷ついた細胞はいずれガン細胞へ細胞が変化します。ストレスでガンが生成されてしまったら、大量のビタミンCはガン細胞の酸化を促進しアポトーシス(細胞の自然死)を引き起こします。
大量のビタミンCは、ガン細胞の死滅を促進し、まだガン化していない細胞に対しては酸化ストレスによって受けたダメージを修繕する手助けし、正常な細胞に対しては、酸化ストレスから守ります。このようにガン化の三段階で効果を及ぼします。ビタミンCによる治療には副作用がほとんどなく、従来のガン治療の効果を高め、副作用や合併症を減らし、全身の状態や栄養状態を高めることが実証されてきました。ガンの治療の新しい可能性を持った治療法として今大いに注目されています。
また、ストレス社会において、ガンを防ぐ予防法としてもアンチエイジング医療に取りいれられてきています。