父の退院が決まり、病院のスタッフさんから、在宅介護に向けていろいろと指導を受けました。
看護師さんからは、介護用オムツの交換の選び方と交換の仕方。
介護用オムツは広げてみると、とにかく大きい。病院ではテープタイプが使われていたのですが、
寝たままの姿勢のオムツ替えは、私1人で出来るだろうか・・・。

オムツには、内側にモレ防止立体ギャザーがあり、その内側に、尿とりパッドを入れる。体を横向きにして、
中心を背骨の位置に合わせたら、体をゆっくりとあお向けに戻し、オムツの横のテープで留めます。
大人用はテープ2枚になっているので、上下でクロスして留めると、外れることがありません。なかなか良く出来ている。

食事指導は管理栄養士さん。父の場合は、うすいとろみがつけられていて、退院後もこのままずっととろみをつけたほうが
良いと言われました。飲み物だけでなく、水物すべてにとろみをつける。お茶や料理の中の水分、味噌汁も汁を取り出して、
とろみをつけたら具材を混ぜる。
なんでもかんでも、とろみを付ける。とろみをつけるには、とろみ剤を使います。
私は「とろみエール」を購入しましたが、原料は、デキストリン、増粘多糖類など。ちなみに、とろみと言えば片栗粉と
思いますが、唾液によってでんぷんのとろみが消えてしまい、誤嚥をする可能性があるのでNGなんだとか。
餡よりもゼリーに近い感覚なのだそうです。

また、料理は、何にでもマヨネーズを使うのがおススメと言われて、「えーほんとですかー? 何でもかんでも?
カロリー高くなりませんか・・・」と質問したら、噛む力や飲み込む力が衰えてくるので、食材を食べやすく
くっつけてくれたり、コーティング効果で飲み込みやすくなるし、エネルギー不足を補うことができるのだそうです。
父には、むしろ高カロリーのものを食べさせた法がいいのだそうです。

ご飯もやわらかめにして炊き、ふりかけ推奨。思わず、嚥下食レシピの本を買いました。
言語聴覚士さんには、食事の時間がかかりすぎたり、食欲がなくなってきたりしたら、注意してください。
また、 ムセに気を付けてくださいと言われ、「わかりました。水物にムセたり、食事が喉につかえてないか
注意していけばいいですね」と確認すると、ムセないサイレントアスピレーション(不顕性誤嚥)という場合もありますと。
わりと、この言語聴覚士さん、脅かすのよねー。でも、いろいろと教えていただけて有難い。

病院の作業療法士さんからは、ベッドから車椅子、車椅子からベッドへの移乗のやり方と車椅子から車への移乗を
サポートする車の乗り降り方法を実際に実践練習させてくださいました。
「家でも、車椅子の生活が安全です。伝え歩きは転倒するから危険。食事に階段を上がって2階に行くことは厳しいと思います。
1階のベッドのお部屋で食べさせてください。トイレに関しても排せつの感覚はわからないと思います。
時間を決めて行かれるのもいいけれど、正直、難しいと思いますよ。」
良くなる可能性はゼロなのか、希望はないのだろうか・・・
何だか雪崩のようにドドドドドー・・・と「絶望」の2文字が被さってくる。
「自分一人の人生だって大変なのに、二人分の人生は背負えませんよ。くれぐれも無理しないで下さい。
ギリギリまで頑張る必要ないですから、周りを頼ってください」と念押しされました。

病院へのからの帰り道、「本当に良くなる可能性はゼロなのかな・・希望の糸の先が見つけられず、
ちょっと辛くなりました。」
今日からこの道を「絶望ロード」と名付けるわ、と思いながら走りました。
ケアマネさんからは、「どこまで望まれているのですか?」と聞かれ、
「昨日より今日、今日より明日、小さな奇跡を積み重ねていくだけです」と答えました。
それしかないと思いました。
父の退院日が間近に迫った夜、友人たちと「おでんの会」をしました。
夜の食事会には、これからはあまり参加出来なくなるなーと思いながら、話しは父のことになり、
「奇跡を起こすのは、実千代さんの真骨頂やから」と言われ、「あっ、ほんとや」。
そうだった、スイッチが入りました。不思議~。
翌日、Mrs. GREEN APPLE –【 ケセラセラ】を聞いて、その歌詞を見たとき、これはギフトだと思いました。
「ケセラセラ」
今日も唱える
限界?上等 やってやろうか
愛を捨てるほど暇じゃない いつも all right, all right
ここを乗り越えたら 楽になるしかない
「よしっ!! やってやろうか」
髪の毛を切りました。
