脳の手術をするということ~ 言葉の出にくさの克服と、座ってさせるか問題⑦

退院前に、主治医から脳の中の腫れも治まってきて、脳が元の位置に戻ってきているとお話がありました。
「高次脳機能障害」は、回復するのだろうか?父は、何が出来ないのか?何の障害が起きているのか?
それを知りたい。
 
“発声しにくい問題”
母が「私が話をしても知らん顔して、無視される、何か腹を立ててるのかなぁ」と言うのです。
確かに・・。横にいる父は、母が話しかけているのに、知らん顔をしています。
高い声の人の声は、聞き取りにくいと聞いていましたが、母はいつも通りテンポよく早口で話しています。
話しかけるのはいいけれど、一気に話しをしては情報量が多くて、頭が混乱します。
 
 
父の様子を見ていると、ものを尋ねたときに、まずは口をすぼめて、唾を飲んでから答えます。
それから、ゆっくりと言葉を発するので、テンポ感が全く違う。それを待たずに、話し始めると、
せっかく何か言おうとしたのに止めてしまう。
まさしく、「言いたいことを飲み込む」感じになっています。先回りせずに、慌てないで答えるまで待つ。
とかく、みんなせっかちなので、一呼吸置くことが大切です。
家族で、父が理解しやすいように、ゆっくりと自然体で話そうと、父も会話に交えるようにしました。
 
途中で、「お父さん、どう思う?」と振ってみると、ゆっくりと唾を飲み込んで、
しばらくしてから「そうやなー」と答えられるようになりました。
また、「お父さん、これとこれとだったら、どっちがいいと思う?」と聞くと
同じように唾を飲み込んで、「そうやなー、〇〇だろ」と自分の意思が伝えられるようになりました。
それからしばらくすると、だんだん声が出るようになり、かすれもだいぶ取れてきました。
口をすぼめて、唾を飲んでから答えるということもなくなり、会話も普通の速さになってきました。
 
病院では、「もう、自分では、何も決められないし、考えられないと思いますよ」と言われていたけど、
そんなことはありません。
 
 
“座ってさせるか問題”
洋式トイレでオシッコをさせるときに、座ってさせるのが当たり前だと思っていました。
父を洋式トイレの前に連れて行っても、ズボンのチャックを下ろしてしようとします。
いやいや、「オムツを下ろすから待ってねー」とオムツを下げた途端に排尿。
「下が汚れてしまうから、座ってしようね」と言っても、向きを変えずしようとする。
根気強く、トイレの前で、何度も何度も父の体の向きを変えていました。
実は男性のトイレ事情が変わってきたのは最近で、2021年の男性の家での座ってする率は、
座り派が60.9%、立ってする派は39.1%なのだそうです。
座ってすると汚れないという良い事だけでなく、残尿量が減るそうで、
65歳以上の男性では、尿の勢いが良い、排尿が始まるまでの時間が長い、
排尿時間が長いという結果もあるそうで、また、追っかけモレが起こりにくくなるそうです。
 
 
物心ついた時から男性は立って、女性は座ってというのが当たり前だった時代で育って来て、
84歳にして、その習慣を変えるというのは大変だと思うけど、やっぱり座ってさせよう。
 
父の場合は、膝が曲がらず屈めないこともあったらしいのです。
トイレの横に取り付けた突っ張り棒式のポールを、手を伸ばしてつかまりやすい位置にずらしました。
 
 
車のハンドルのような円形手すりは優れものです。両手で全体重をかけて、引き寄せても安心です。
時間を決めて、トイレに誘導してトレーニングすると、ちゃん出来るようになりました。
「尿意や便意はわからないでしょう」と言われていたけど、そんな事ないです。
 
 
ズボンの上げ下げ、オムツや、パットの取り替えは、自分では出来ないので介助していますが、
立ったり座らせたりしなくて良くなっただけでも助かります。
ウンチの場合、ウォシュレットがあるから、介助はそんなに大変ではありません。
父の場合、あんまり息まなくて済むように、酸化マグネシウムが処方されています。
前の方まで汚れている時には、ビデを使えば良いのだそうです。
階段の上り下りも、手すりを持って一歩ずつ、出来るようになってきました。
どうぞケガをしないように・・・。
 
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