揚げ物の摂りすぎは、慢性炎症のもとだなんて!!油も選び方と摂り方を間違えると病気を作る。

栄養素のひとつである脂質は、動物性脂肪、植物油、魚の油に大きく分けられます。

どれも同じ「あぶら」であることに変わりありませんが、腸に取り込まれると分解され、バターやラードなどの動物性脂肪は主に飽和脂肪酸に、植物油や魚の油は不飽和脂肪酸に変化します。

 

飽和脂肪酸は、常温で固まる性質を持っています。

 

不飽和脂肪酸は、炭素の結合に所々、すき間があるため、飽和脂肪酸のようには固まらず、サラサラしています。それゆえ飽和脂肪酸に比べるとヘルシーなイメージがありますが、こちらはすき間が出来る場所によって、オメガ3、オメガ6、オメガ9とさらに別々の種類に分かれます。

 

不飽和脂肪酸の場合は、このうちのオメガ3とオメガ6の摂取のバランスがとても重要になってきます。この2種類の脂肪酸は、体内で合成されないため必須脂肪酸と呼ばれていますが、オメガ3脂肪酸は摂取が不足しており、オメガ6脂肪酸は市販の植物油に多く、揚げ物や炒め物を食べる割合を考えても、かなり過剰に摂取しています。

 

要するに、体内で合成されない必須脂肪酸のバランスが大きく崩れてしまっているのです。実は、このバランスの崩れが過剰な炎症反応を起こし、アレルギーや自己免疫疾患、潰瘍性大腸炎、パーキンソン病、アルツハイマー病など、さまざまな病気の発症に関与していると考えられています。

 

植物油が問題になるわけは、「プロスタグランジン」という物質と脂肪酸の関わりです。プロスタグランジンは、ホルモンに似た働きをする生理活性物質で、オメガ3とオメガ6を原料に作られていきます。その働きは多岐にわたっております。オメガ3から作られるプロスタグランジンが炎症を抑制し、オメガ6から作られるプロスタグランジンが炎症を促進させていきます。私たちの体は、このような炎症を起こすことで、傷口が菌などに感染するのを防いでいます。一種の防御反応ですが、この炎症が働き過ぎると異物に過剰反応することで、アレルギーが生じたり、自分の細胞を攻撃することで自己免疫疾患などにかかりやすくなったりします。腸粘膜の細胞が炎症されれば潰瘍性大腸炎につながりますし、脳の神経細胞が炎症されれば、パーキンソンやアルツハイマー病が起こりやすくなるかもしれません。傷口をふさぐ炎症反応は自然なものですが、慢性炎症になるととても厄介です。精製糖質も腸の炎症を起こしますが、油も使い方を間違うことによって同じ問題が生じてしまいます。

 

オメガ6脂肪酸に該当するのはリノール酸です。コーン油、大豆油、紅花油、ごま油、なたね油などの市販の植物油の多くがこのオメガ6脂肪酸=リノール酸を含んだ油ですが、

これらの油が慢性炎症の原因になるといわれるとびっくりする人は多いでしょう。
かつては、リノール酸はコレステロール値を下げるヘルシーな油として認識されていたのですが、その後研究が進むことで摂取量が増えると善玉コレステロール値(HDLコレステロール値)まで下げてしまうことがわかってきました。その後、プロスタグランジンとの関係も明らかになり、一転して摂りすぎは危険であるとして指摘されるようになりました。また、不飽和脂肪酸は、加熱すると酸化しやすいことで知られています。

細胞を覆っている膜(細胞膜)は、脂質によって覆われていますから、酸化した油の摂取が増えると細胞の代謝に不都合が生じます。揚げ物の摂りすぎが、いろいろな意味で体に負荷をかけ、私たちの健康をむしばむことにつながっていくのです。

 

このような問題を改善していくには、リノール酸の摂りすぎを抑えることに加え、炎症を抑制するオメガ3脂肪酸の摂取を増やすことも重要です。

 

オメガ3に分解できるのが魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)です。植物油の中では、亜麻仁油、エゴマ油などにもオメガ3の仲間であるα-リノレン酸が多く含まれています。酸化しやすいので、加熱はせず、サラダのドレッシングなどに使うことがおすすめです。ナッツ類の中では、クルミに多いことは知られています。

 

オリーブ油は、オメガ9に分類されるオレイン酸を多く含んでいます。オメガ9脂肪酸=オレイン酸は必須脂肪酸ではありませんが、コレステロールを低下させる働きがあり、加熱しても酸化しにくい性質があります。

 

オリーブ油がヘルシーだと言われる所以はここにあります。

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加熱調理をする場合は、オメガ9脂肪酸のオリーブ油を使うといいでしょう。

 

 

 

 

参照:「医者が教える長生きのコツ」 佐古田三郎 著

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