50歳くらいになると、細胞のエンジンが切り替わり、炭水化物が栄養にならず、かえって老化を早める要因になるので、炭水化物を控えなくてはなりません。
炭水化物というと、ご飯やパン、うどんやそばなどのめん類、パスタ、小麦や砂糖で作ったお菓子類です。今まで通りの食べ方では、炭水化物の摂取量が多く、頻繁に腸に入ってくると、腸は消化吸収することに疲れてしまいます。
腸が疲弊すると、腸内細胞も活発に動けなくなり、腸内細菌叢のバランスも乱れてきます。この乱れは、腸内細菌の大部分を占める日和見菌を悪玉菌の味方にしてしまい、腸内が、悪玉菌優勢になってしまいます。
また、糖質を多く含む炭水化物を食べると、血液中のブドウ糖の量が増えて、血糖値が上がり、それが続くと、体はブドウ糖を消化しきれずに、中性脂肪となって白色脂肪細胞に溜め込み、やがて肥満という形で表れ、さらに、糖質の摂り過ぎは、食欲をコントロールする脳細胞を傷つけるという研究結果も報告されています。
「ACG(終末糖化物質)」という、糖とたんぱく質の化合物になり、老化や様々な生活習慣病を引き起こす要因になっていることがわかってきています。
私達の体は、ほとんどがたんぱく質で作られていますが、このたんぱく質と糖が結びつき、その糖にさらされる期間が長くなると、本来のたんぱく質の動きがなくなります。
さらにAGEは、血管や組織に沈着し、体内に長くとどまることで、糖尿病やがん、心筋梗塞、アルツハイマー病、骨粗しょう症などを引き起こす原因になり、体の老化を早めることになります。
小腸の栄養源となるのは、主に、シイタケ、昆布、チーズ、魚介類に含まれているグルタミン酸で、大腸の栄養源は、水溶性食物繊維をエサにした腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸という栄養素ですが、炭水化物は、小腸にも、大腸にも、栄養源にはなりません。
日本食と言えば、お米。白いご飯をイメージしますが、若い人には大切な栄養素であり、エネルギー源である炭水化物も、年齢を重ねると摂り方、摂る量を見直さなくてはなりません。
日本食の中でも、伝統食を見てみると、味噌、醤油、酢、他には、納豆や漬物、塩辛、日本酒、焼酎などがあります。
日本の伝統食には、腸内細菌の善玉菌を増やし、免疫力をアップさせる効果があります。
特に、味噌汁は、発酵菌の1つである麹菌が、たくさん生きています。味噌汁の中の具材は、大根、ほうれん草などの野菜類、ワカメなどの海藻類、豆腐や油揚げなどの大豆食品を入れるので、味噌汁は腸内細菌を活性させる万能食と言えるのです。
また、味噌や醤油で、放射線からの障害、そこから放出される活性酸素に負けない体、修復力のある体を作る働きがあるということがわかりました。つまり、味噌や醤油には、強い抗酸化作用があるのです。
ただ、発酵食品は、発酵菌自体が生きているかどうかが大切です。特に味噌の放射線防御作用は、熟成が長いほど大きくなってきます。
スーパーなどで売られている味噌は、品質を保つために、発酵を止める処理がされています。出来れば、毎日飲む味噌汁は、生きた麹菌から作られた味噌で作ることが大切です。
そうでなければ、麹菌の生きた味噌を探して使うようにしましょう。
手間と時間はかかっても、健康と長生きのためには大切なことです。
また、納豆の原料である大豆に含まれているイソフラボンも、今、注目されている長寿ホルモン「DHEA(エヒドロエビアンドロステロン)」の原料になります。
イソフラボンは、フィトケミカルの一種なので、抗酸化作用の強い食材です。
フィトケミカルは、野菜や果物の色や味の成分で、健康維持や病気の予防、特に活性酸素から体を守ってくれる強い抗酸化作用があり、「第七の栄養素」とも呼ばれています。
植物は、常に紫外線にさらされ、発生してくる大量の活性酸素から身を守るために、様々な抗酸化物質を生み出しました。これを私たちが摂取し、体の酸化防御システムを補おうとするものが「フィトケミカル」なのです。
フィトケミカルの種類は非常に多く、主にポリフェノール、カロテノイド、硫黄化合物の3つに分けられます。1日に7食摂る食べ方が良いと言われています。
和食ブームの中でも、お寿司や天ぷらのような「現代の日本食」よりも、昔からの「伝統的な日本食」の方が、体にも心にも良い効果を与えているという発表もあります。日本の伝統食を、年齢に合わせて摂ること。食習慣を見直していきましょう。
参照:「腸が寿命を決めている」 藤田 紘一郎 著