腸を若返らせる方法は、脳の誘惑に負けず、腸の喜ぶ食べものを摂ることだった!!

人間の細胞のうち、真っ先に老化が現れるのが、腸と腎臓です。人は、誕生以来、食べて排泄することを続けています。その働きを行っているのが、腸と腎臓で、使い方が激しいので、老化が進むのは仕方ないのかもしれません。

■腸を若返らせる方法

 

腸が元気でなければ、栄養素は吸収されないので、血肉になることは出来ません。

そのためにも、腸の立て直しを行い、腸内環境を変えて腸のエピゲノム(後天的遺伝子情報)を若返らせなければなりません。

 

約40億年も前に地球上に生物が現れましたが、その時は、わずか一つの単細胞生物でした。それが、多細胞生物となり、最初の臓器となったのが腸でした。その腸が、やがてさまざまな臓器に分化して行きます。栄養分を与える細胞は、腸から肝臓へ、インスリンを分泌する細胞は、腸から膵臓に、そして、腸の前の部分が胃になったのです。

 

腸を若返らせる一番いい方法は、善玉菌が優勢になるように腸内環境を整えることです。

特に今、60歳以上の人達は、腸内の善玉菌の量が減っているので、注意が必要です。

 

■脳と腸の違い

 

健康長寿のためには、腸が欲するものは何か、腸の声に耳を傾けましょう。決して脳の誘惑に負けてはいけません。脳は欲望の固まりです。脳が「美味しい」と感じると、脳の特定の箇所が興奮して、脳内の伝達物質であるドーパミンやセロトニンが増え、快楽中枢が刺激されるからです。これが幸福感になり、何度もおいしさを求めてきます。幸福感が得られれば、脳は体に悪い食べ物であっても「美味しそう」と感じ「食べたい、食べよう」と要求し続けます。

一方、腸は、脳と違って、食べものが安全かどうか判断出来ます。嘔吐や下痢などの症状を出して、腸から有害なものが体内に入らないように拒絶反応を示し、体を守ろうとします。私たちの体に入れる食べものは、脳の要求に応えるのではなく、腸が喜ぶものを選んでいけば、糖尿病や脂質異常症、がんなどの生活習慣病を予防することになります。

 

■腸が喜ぶ食べものは?

 

腸が喜ぶものとはどんなものなのでしょうか?

それは、乳酸菌が含まれたものです。乳酸菌というとすぐにヨーグルトが思い浮かびますが、乳酸菌は発酵菌でもあるので、みそやしょうゆ、酢、納豆、漬物などにも豊富に含まれています。

 

また、悪玉菌を良い働きに導いてくれる、食物繊維をたっぷり含んだ食べ物も腸は喜びます。野菜や果物類に豊富に含まれた食物繊維が腸に入ってくると、大腸菌などの悪玉菌が活発に働いて、ビタミンを合成してくれます。さらに、野菜類や果物類には、善玉菌のエサになるオリゴ糖や糖アルコールが豊富です。

 

食物繊維には、水に溶ける「水溶性」と水に溶けない「不溶性」のものがあります。

水溶性の食物繊維は、ワカメや昆布などの海藻類、納豆、豆類、ニンニク、ゴボウ、エシャロットなどの野菜類、アボガド、レモン、リンゴなどの果物に豊富に含まれています。

また、オクラやモロヘイヤ、サトイモなどのネバネバした食品にも含まれています。

 

一方、不溶性の食物繊維は、セルロースとも呼ばれ、きな粉、インゲン豆、甘栗、干しシイタケ、キクラゲなどにも豊富に含まれています。

 

腸内細菌は、水溶性食物繊維が不溶性のものより好きなようです。それは、水溶性食物繊維の方が腸内で発酵しやすいからです。

食物繊維が腸内に入ると、腸内細菌は、食物繊維をエサにしているので、腸が喜び、元気に活動し、発酵を促します。それによって、腸内細菌がますます増えて、腸内環境が整えられ、さらに元気になるという好循環が生まれます。また、水溶性食物繊維は、粘着性があるために、胃腸内でゆっくりと移動することで、お腹がすきにくくなり、さらに、糖質の吸収を穏やかにするので、食後の血糖値の急上昇を防ぎます。

 

野菜に含まれている食物繊維が血糖値を抑えるので、まず野菜から食べ、次に肉などのタンパク質、

そして最後に血糖値の上がりやすい炭水化物を最後に食べるのが、食事による血糖値の上昇を緩やかに出来るからです。

 

不溶性食物繊維のセルロースも、腸にとっては重要な栄養素です。私たちの消化液では、セルロースを分解することが出来ません。セルロースは胃から小腸を通過し、大腸まで消化されずに到達し、大腸に棲んでいる大腸菌によって、初めて分解されます。しかも、分解される過程で、私たちの体に重要なビタミンを合成してくれます。また、セルロースは、水溶性食物繊維のように水に溶けないため、腸内の水分を吸収して膨張します。

 

セルロースの強い繊維と膨張によって、腸内に溜まっている食べカスや腸の細胞の死骸、細菌の死骸などの「腸の生ごみ」を便として排泄してくれます。

 

セルロースをしっかり摂ることで、悪玉菌である大腸菌を良い働きに変えることが出来ますし、逆に、摂り方が足りなければ、大腸菌をますます悪者にしてしまうのです。

 

また、セルロースは、腸内にとどまっている発がん物質や、水銀やカドミウムなどの有害物質を吸着して、便と一緒に体外に出してくれるなど、腸を掃除してキレイにしてくれるので、デトックスには最適な食べ物です。水溶性でも、不溶性でも腸の環境を整えてくれる食物繊維が含まれた野菜や果物は、できるだけ毎日、たっぷり摂るようにしましょう。

 

 

参照:「腸が寿命を決めている」  藤田 紘一郎  著

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