「地中海式食事」は、オリーブオイルをふんだんに取り入れ、野菜、果物、豆類、穀類、ナッツ類、魚介類を多く取り入れるイタリア、スペイン、ギリシャで食されている献立です。
大事なことは、“おおよそこんな食事を続けた場合、体にどんな効果があらわれるか?”ということです。
アルツハイマー関連で言えば、地中海式食事をしっかり守っている人の方が、発症リスクが低いということがわかって来ています。
米国・コロンビア大学のニコラオス・スカーミーズ博士の調査(2006年)では、この食事と最もかけ離れたグループに比べ、発症リスクが40%も少なかったという結果が出ています。
ある程度守っているグループでも15%少なかったといいますから、この食事パターンそのものに病気を予防する要因があるのでしょう。
パーキンソン病に関しては、北九州と関西の医師・研究者で構成される研究グループが、249人の患者からのデーターから3つの食事パターンを抽出し、発症リスクとの関係を解析すると
A・・・野菜、海藻、キノコ、緑茶、魚が中心。動物性脂肪は少ない。
B・・・動物性脂肪中心で、野菜はじゃがいもがおおい。味噌汁、きな粉は食べない。
C・・・パン、紅茶、コーヒー、バター、ソフトドリンク、果物が中心。

これらの食事のうち、パーキンソン病との関連が明らかになったのはAで、発症率が統計的に少ないことがわかりました。このAのパターンに当てはまるのが、地中海式食事であり、伝統的な日本食になるでしょう。
日本食に関しては、地中海式ほど油は摂らず、コメのご飯を主食に、発酵食品が多いという特徴があります。
コメのご飯を中心にした食生活と栄養摂取の関連を調査した結果が、米国で報告されています。
1万4000人あまりの成人男女を対象にしたものですが、コメのご飯をよく食べている人は、食物繊維、葉酸、マグネシウム、カルシウム、鉄などの摂取量が多く、動物性脂肪や糖質の過剰な摂取が抑えられる傾向にあり、米国のガイドラインで推奨されている理想の食生活に近い内容になるようです。

白米のご飯だけを単独で見ると精製糖質の問題が、取り沙汰されますが、食事全体でみた場合、評価が大きく変わってしまいます。
日本食が国際的に評価されているのも、この点にあるのでしょう。
こうした食事パターンの背景には、それぞれの国や地域が数百年、数千年にわたって培ってきた食文化が存在しています。
栄養学的な知識がなかった時代から、経験的に食されてきたもので、構成されているわけですから、そこには、成分を分析するだけではみえてこない、生きる知恵のようなものが宿っているはずです。
「昔の日本食」には、日本という一つの地域で長く食べられてきたものの中に、病気を予防する要素が隠されています。
日本食の「食事パターン」をもう一度見直すことが大切です。

参照:「医者が教える長生きのコツ」 佐古田三郎 著